油の温度と揚げ方
天ぷらの揚げ方にもいろいろなポイントがあります。ちなみに素材の油の吸収量についても知っておきましょう。これは切り方によっても違ってきますが、吸収量は素揚げ・唐揚げ・フライ・天ぷらの順に高くなっており、揚げる素材の水分の量や衣によって、フライでも天ぷらより多くなることがあるようです。
素材による吸油量は、かぼちゃの天ぷら1枚12g、ナスの天ぷら1個14g、エビの天ぷら1匹5g程度です。
次は油の温度です。160℃では衣が沈んで、ゆっくり浮き上がります。葉ものはこの温度で揚げましょう。170~180℃では衣が沈みかけて鍋底につくギリギリあたりで浮き上がってきます。野菜や魚の天ぷら、かき揚げはこの温度で揚げるのがベストです。190℃にすると衣が沈まないうちに広がり、これはフライドポテトやフライドチキンなどの2度揚げ用で、普通の天ぷらではあまり使わない温度域です。
天ぷらに適した温度となる合図は、衣を油へ垂らしたとき、鍋底に沈む手前で浮き上がってくる程度ということで、衣が油の表面で弾けるように広がるようだと、温度は高過ぎるということになります。
実際に揚げる時ですが、特に野菜類は水分を多く含んでいるものが多いので、事前に水気をしっかり切っておくようにしてください。天ぷらを揚げるのは、火の温度が上がってからですから、適温になるタイミングには、衣の準備をしっかり完了させておきましょう。
はじめに鍋にたくさん具を入れてしまうと、油の温度が下がってしまうので、油の面積の半分以下にしてください。天かすが浮いてきますが、これはこまめに取りましょう。