天ぷらの基礎知識
天ぷらは何といっても日本料理の中でも代表的な存在で、老若男女を問わず広く愛されている料理です。
基本的な天ぷらは、魚介類、野菜等に、小麦粉に卵を混ぜた衣をつけて油で揚げたもので、「天麩羅、天婦羅」とも表記され、特に江戸(東京)の郷土料理にもなっています。
天ぷらに使用する食材はタネと呼んでいますが、本来は魚介類をタネとした物のみを天麩羅と呼んでいたそうで、野菜をタネとした物は「精進揚げ」として区別されていました。今では精進揚げを含めた総称として「天ぷら」という名称が一般的となっています。
タネに「天」を付けて「海老天」等とも呼ばれ、芝海老や小柱などを細かく切り刻んだり、細かい野菜類や魚介類を衣と混ぜ合わせたものは「かき揚げ」と呼ばれて、これも親しまれています。
一般的な天ぷらの調理法は、薄力粉、鶏卵、水を混ぜ合わせて衣を作って、ここに食材をつけ込んでから160~180℃の油で揚げます。よく「衣に華を咲かせる」などと言いますが、これは衣を大きく見せて、より美味しく見せる技法のことです。
こうして揚げた天ぷらは、天ぷら鍋に付いている天ぷら網などに移して油を切って仕上げます。
ここでのポイントはやはり「衣」です。衣の役割は、揚げ上がりの食感を悪くする小麦粉のグルテン生成を抑えることで、グルテン生成の少ない、製粉後に期間をあけた小麦粉を使うこともあるようです。いずれにしても、サクッと揚がった衣は天ぷらの最も重要な点かもしれません。